生命保険の仕組みと種類

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複雑な生命保険の仕組み

『生命表』=人間の生死にかかわる統計データ

現在の生命保険では、人間の生死にかかわる統計データ=生命表が用いられるのが通常です。この生命表による加入者の生死の予測に基づいて、適切な保険料が設定されます。ただし、死亡統計は過去から現在までのデータのみが使用されるのに対し、実際の生死は将来発生することですので、当然予測に誤差が発生します。そのときに保険料収入が不足する事態になってはいけないので、保険料計算に用いる死亡率にはあらかじめ安全が見込まれています。このときの死亡率を予定死亡率と呼び、保険料計算の重要なパラメータのひとつとされています。

平準保険料と責任準備金

生命保険の保険料率は年齢ごとの死亡率を元に計算されるが、その考え方には大きく分けて「自然保険料方式」と「平準保険料方式」があります。

「自然保険料方式」は、加入者の年齢ごとにその死亡率に応じた保険料を徴収する方式で、一般には高齢になればなるほど死亡率が高くなるため、自然保険料方式による保険料率は年齢とともに上昇します。

「平準保険料方式」とは、自然保険料方式では高齢になると保険料が高くなりすぎ、契約者が保険料負担に耐えられないというデメリットがあるため、それを解消する方式であり、保険期間中の年齢ごとの死亡率を平準化した保険料を徴収します。このため、高齢になっても保険料は上昇しません。

平準保険料方式を採用すると、本来は高齢になってから支払うべきであった保険料をあらかじめ若いときに支払うことになるので、結果として生命保険会社は将来の保険料を事前に徴収して留保していることになります。この留保された資金のことを責任準備金と呼びます。責任準備金は平準保険料方式の契約者についてそれぞれ存在するので、総合すると大きな資金となり、生命保険会社はこれを元に運用を行い、収益を上げることができます。実際の保険料はこのような運用益を見込んで割引かれている。この割引分を算出するためにあらかじめ運用利率を予定しておきます。この利率を予定利率とよび、これも保険料計算の重要なパラメータとなっています。

解約返戻金とは?

平準保険料方式をとると、本来はまだ必要ではない保険料を事前に徴収していることになるので、保険期間中に何らかの理由で保険契約を解約することになると、その保険料のうち一部は契約者に返還されます。これを解約返戻金と呼びます。保険契約者の債権者が解約返戻金請求権を差し押さえ、取立権に基づき解約権を行使した上で取り立てることがあります。また債権者が債権者代位権に基づき解約権を行使し、解約返戻金を代位請求することもあるようです。しかし、これが行われると保険金受取人の将来の生活を脅かすおそれがあるので、一定の場合には保険金受取人が解約返戻金相当額を債権者等に支払うことにより解約を回避する制度が設けられています。


生命保険の種類

基本の生命保険商品をご紹介します。

【生存保険】
被保険者が満期時に生存しているときに保険金が支払われます。年金支払開始から1年後に生存していれば1回目の年金、2年後に生存していれば2回目の年金と、複数の生存保険が合成されたもの。

【死亡保険】
保険期間の間に被保険者が死亡したときにのみ保険金が支払われます。純粋な死亡保険の代表例が定期保険です。定期保険は満期保険金がありませんので、満期時までに全ての保険料収入を死亡保険金として支払う設計になっています。そのため、責任準備金は満期時にはゼロとなり、保険期間を通じても一般にそれほど多くはなりません。

【生死混合保険】
死亡保険と生存保険を重ね合わせたもので、被保険者が死亡したときには死亡保険金が、満期時に生存しているときには生存保険金が支払われます。養老保険は上記死亡保険と生存保険を1対1でブレンドしたもので、保険期間中に死亡したときと満期時に生存しているときに同額の保険金が支払われます。また、終身保険は養老保険の保険期間を生命表の生存者が0になった時点に伸ばしたものです。その時点は会社によって異なっており概ね105歳付近が理論上の満期となっています。

保険の危険を回避しましょう!

生命保険においては、収支相等の原則を守るために同一の危険を持つ被保険者集団を形成する必要がありますが、その裏をかいて不当に利益を得ようとする行為が発生する恐れが常にあります。そのため、生命保険会社は、同一の危険を持つ被保険者集団を守るために危険選択を行います。具体的には加入時に医師による診査や告知書などを用いて、特に標準的な危険よりも大きな危険を持つと考えられる加入者を識別しています。ですがそれは、そのような加入者が保険に加入できないことを意味しませんので、その加入者と同等の危険を持つ被保険者集団が形成できれば、その集団に対する適切な保険料で保険に加入することができます。また、支払時にも査定を行い、保険金詐欺を防ぐことが行われています。